風景写真や記念写真、スナップショットという感じではなく、仕事をしていて身の回りに出現するありとあらゆるものを記録し整理するための道具としてデジカメを活用する。
そんな仕事の流儀を持つプロフェッショナルがNHKに出ていた。残念ながらお名前を失念したが、いざとなれば検索でわかることだ。ここではその「事実」を知ればよいこと。
日本で情報整理の達人というと、京大型カード・「知的生産の技術」の梅棹忠夫、山根式袋ファイル、時間順押し出し式の超整理法、などと思い出される。
この3つは同じではなく、初めの二つはいわば「情報の規格化」に関することである。
あらゆるものを同じ大きさのカードもしくは袋に入れることで規格化する。それは整理と分類のしやすさを考慮してのことで必須の作業と言える。
いっぽう、超整理法における時間順押し出し式というのは、そうした規格化された情報の「整理法」に属するものということになろう。
従来の整理法では、一つの情報がどちらの分類・カテゴリーに入るのか迷うことがある。それを「時間」という一つの物差しで快刀乱麻を断つごとく見事に切り分けてみせた。確かに分類に困ることが多いのが現代の私たちの日常だ。
時間軸なら一つしかない上に思い出しやすい分類法でもある。それは画期的であるとして評価された。
では番組ご紹介の「なんでもデジカメ」というのはどうか。
これは京大型カードもしくは山根式袋ファイルと同様、情報の「規格化」に属するものである。なんでも1枚の画像の中に収容してしまう。様々な情報が同じ形で収まるという意味で規格化以外のなにものでもない。
さらに「なんでもデジカメ」というのは、容易かつ瞬時に検索できるというパソコンの特徴を活かした「整理法」ともいうことのできるものである。
カードも袋もカテゴリー分けに苦労するし破綻することもある。
時間順なら物差しは一つで済むが量が膨大になると対処しきれない。記憶があやふやなら検索も時間がかかることになる。決定的なのは、この整理法が「個人 の記憶」といういささか非科学的な、個人によりかかった基準であるために統一された整理法とは言えないし他者には検索不可能ということだ。これではコラボレーションには向かずソーシャルな仕事には活用できない。
撮った写真なら日付という時間軸の他に、複数可能なキーワードによるファイル名で多様なアクセスが可能になる。
Windows VISTAは写真をタグ付けで整理できる仕組みがあるという。あるいはGoogleのPicasa等も可能になるかもしれない。タグの方が便利で優れていることは言うまでもない。
情報を写真で整理するというのは面白いアイディアだ。
仕事の資料からおいしそうな昼食弁当、読む本、パンフ、新聞の切り抜き、電車やバス停の時刻表、なんでも写るものなら写して保存できる。
どんなものか。番組のあとでさっそく自分も実行してみた。
たとえば図書館から借りた本も写しておくと、あとでどんな本を読んだかわかっていいし購入の際のメモ代わりになる。届いた請求書も写す。その他、いろいろやってみた。
しかし、始めてみて気づくのは今の自分のデジカメではとても面倒であり「仕事術」としては使えそうもないということだった。すぐに頓挫してしまった。
今のデジカメは面倒すぎる。
まず電池が持たないからしょっちゅう充電だ。底蓋を外して電池を取り出し充電器に入れて数時間。
写した画像はスマートメディアに保存するが当然枚数制限があり、その容量は情報整理法に使うには少ない。かといって今さら追加で買い直すのはもったいない、このデジカメ専用となるだろうからだ。
スマートメディアはアダプターに入れてパソコンとUSB接続。ちょっと時間をかけて読み出して、取り出すときは「安全な取り外し」を実行して、またカメラに入れる。
今のデジカメ、富士写FinePix1500。150万画素で画質は必要にして充分。その点では気に入っているものの「仕事の流儀」的には面倒が多すぎる。古い機種だし仕方ない面もある。
*注 デジタルカメラ単体を買うとしたら、私は「スーパーCCDハニカム」を評価して富士写(現、富士フイルム)を選ぶ。
そこで、情報整理術に用いるデジカメに求められる点をいくつかまとめてみた。結論を言えば、それは携帯電話のデジカメということになる。デジカメ単体である必要はない。
では、携帯電話デジカメを買うとして、いくつか検討事項をあげてみる。
- 電池が持つこと。もしくは簡単に充電ができること。毎日充電されていること。充電台に載せるだけという携帯電話スタイルが一番いい。電池を外したりはせずそのままで充電できるようでなければならない。
- 撮った写真のPCへの転送が簡単であること。メモリー類を取り出してアダプターに入れてからPC接続ではやってられない。デジカメとPCをUSBで接続できるのが今の主流ではあろうが、これもBluetooth無線通信にはかなうまい。
- 資料を写すことを考えるとマクロ機能が充実していること、レンズの描写力が優れていることが求められる。細かな文字も読めること、OCRにかけられるくらいの解像度で撮影できることが必要。
- 資料を写す際に手ぶれがあっても補正してくれること。
いまの携帯電話は二つ折り機種がメインであるが、これは手を伸ばして撮影することになり手ぶれがおきやすいとも言える。SONYみたいなデジカメスタイルで写せるケータイが望ましい。二つ折りではなくストレートまたはスライド式携帯電話がいい。
- 室内で写すことも多いことから、より明るいレンズであること。
- 撮影対象から考えて、望遠よりも広角を重視すべきだろうから、そういうレンズが望ましい。
- 撮影を繰り返すと電池の消耗も早いことが想像できる。どこでも充電できることが求められる。出先で充電できるソリューションが揃っているキャリア(この点はDoCoMoが最良)の端末がいい。
他にもいろいろありそうで、思いついたら随時書き足したいが、いまのところ以上のごとき視点からノキアの705NKが条件的に揃っていると思う。
お前の結論は初めからわかっていたと言われればぐうの音もでない。申し訳ない。
現在のドコモとの契約上、この9月まで購入は差し控えているが、多少の前倒しはあってもいいかもしれないと思い始めた。どうなることやら。
もし背中を押してくれるものがあるとしたなら、あの705NKが店頭で魅せつける「ディーププラム」の妖しい輝きである。
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